豊通エレクトロニクス、
クリーンルームを備える品質サポートセンター「TAQS」を公開
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写真 左から、豊通エレクトロニクス専務の柿原氏、TAQSセンター長の佐藤氏 |
豊田通商の100%子会社である豊通エレクトロニクスは2008年4月、愛知県安城市内に、クリーンルームや高解像の電子顕微鏡など半導体の故障解析に必要な設備を備えた品質サポートセンター「豊通オートモーティブ クオリティ サポートセンター(TAQS)」を記者向けに公開した。半導体商社が、これらの本格的な故障解析サポートセンターを開設するのは、名古屋・三河地区で初めて。TAQSの設立により、同社の主力商品である外資系半導体メーカー製品の初期故障解析期間を、従来の1〜3週間から24時間以内に短縮する。
豊通エレクトロニクス代表取締役専務の柿原安博氏は「豊田通商のカーエレクトロニクス事業部門として独立してから5年が経過したが、車載半導体をはじめカーエレクトロニクス部品の需要は急拡大している。当社が扱う外資系メーカー製品の売上げも伸びているが、ここで重要なのが品質保証と、万一の不具合解析の体制確立だ」と語る。従来、同社では、取り扱い製品に不具合が起きた場合には、海外にある外資系メーカーの本社や研究開発拠点にサンプルを空輸し、そこから故障解析の結果を1〜3週間待たなければならず、顧客に迷惑をかけることも多かったという。「最近は、自動車メーカー内での標準化が進んでいるため、従来は1車種だけに留まっていた不具合発生が、全車種にわたって発生することもあり得る。そして、故障解析を待つ期間が長ければ長いほど問題が拡大する可能性がある。TAQSを設立することで、外資系半導体メーカーのサポート機能を補完して、国内半導体メーカーと同レベルの、24時間以内の初期故障解析対応を実現できるようになる」(柿原氏)という。
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図1 TAQSのクリーンルーム内のようす |
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図2 電子顕微鏡を使ったチップ分析について説明する佐藤氏 |
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図3 パッケージ内部を非破壊で検査できる3次元X線検査装置など本格的な設備を導入している |
TAQSは、豊田通商の物流子会社である豊通物流が2007年11月に新設した「電子デバイスセンター」の3階に位置する。3月1日から業務を開始しており、約1カ月間で100件近くの案件を受けているという。敷地面積は800平方メートルで、このうち3分の1は2009年以降の増強スペースとして空けている。従業員数は24人。敷地内は、静電気対策のため全面に静電床を設置しており、清浄度がクラス1万のクリーンルームも備える。
ほかにも、クリーンルーム内にある半導体テスターや再梱包のためのテーピング装置や、非破壊検査のための3次元X線検査装置、超音波検査装置、パッケージ開封のためのエッチング装置、ケミカルチャンバ、開封したパッケージから取り出した半導体チップを詳細に検査する走査電子顕微鏡など、本格的な装置を導入している。現時点で、最大で月間約600万個のデバイスの検査が可能だという。
2008年後半には、チップの内部構造の詳細な分析に必要な集束イオンビーム加工分析装置や、微小リーク電流欠陥解析装置などを追加導入する計画だ。現有の設備だけですでに1億2000万円を投資しているが、さらに追加導入する装置を含めて2億円を投資する。
TAQSのセンター長を務めるのは、米Texas Instruments社や米Freescale Semiconductor社などで品質保証業務に長年携わってきた佐藤信夫氏。「TAQSでは、不具合発生時の選別検査と故障解析だけではなく、新規採用品の納入前の全数検査や品質・信頼性評価測定、回路基板への実装レベルまで含めた改善ノウハウを生かしたゼロディフェクト量産立ち上げなども大きな機能となっている。今後は、人員増強や追加投資も進めて、車載半導体にも登場するであろう90nmプロセスよりも微細な先端デバイスにも対応できるようにして行きたい」と話す。2010年度までの3カ年計画では、人員を約2倍となる50人にまで増やすとともに、空きスペースへの解析設備の増強など約4億円の投資も計画している。
また、柿原氏は「基本的には品質保証業務が中心のコストセンターだが、クリーンルーム内のテーピング装置を使った再梱包の受託サービスなどにより、独自に収益を上げることも可能だ」と今後の事業拡大も視野に入れている。
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