中国の自動車用電子機器市場、
2011年に2400億元へ
中国の自動車産業は、2005年に続けて2006年も急激な成長を遂げた。自動車の生産台数は728万台に達し前年を約20%上回った。自動車市場の急成長に伴い、自動車用電子機器市場も大幅に伸び、2006年の市場規模は前年比約40%増の867億6000万元(約1兆3000億円)に達した(図1)。
アプリケーション別にみると、パワー制御(パワートレイン)システムが28.5%、シャシー制御/安全システムが29.2%を占めた(図2)。中国の国産車がエンジン制御システム(EMS)を標準装備するようになって、パワー制御システムの伸びが鈍化する一方で、性能の大幅な向上によりシャシー制御システムがパワー制御システムを初めて市場シェアで追い越した。このほか、高機能カーオーディオやカーナビゲーションシステムの登場により、車載情報機器の市場シェアも上昇している。
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図1 中国の自動車用電子機器市場の規模と成長率
出典:CCID Consulting社2007年1月のデータ、以下の図表も同じ |
図2 中国の自動車用電子機器市場のアプリケーション構成(2006年) |
安全システムが普及へ
中国の自動車用電子機器市場の成長は、生産台数の拡大だけが理由ではない。商用車に比べて乗用車は自動車用電子機器のコスト比率が高いので、乗用車の生産台数が自動車用電子機器に最も直接的な影響を与える。2006年、中国の乗用車の生産台数は383万台に達し、初めて自動車生産台数全体の50%を越えた。さらに、これら国産車が電子機器の採用を大幅に拡大していることも大きな要因である。2006年は100車種以上の新型車が発表され、電子機器の質・量とも旧モデルより格段に向上した。
また、従来の自動車用電子機器も引き続き同市場を支える柱になった。2006年は、EMSが基本的に中国車の間で完全に浸透し、ABSやエアバッグのようなシャシー制御/安全システムの普及が加速した。これにより中国車の80%以上にABS、電子制御制動力分配システム(EBD)、エアバッグが装備された。また、トラクションコントロールシステムやブレーキアシスト(BAS)、エンジンスピードセンサー(ESS)といった新しいタイプの車体制御システムも中国車の間で急速に広がってきた(表1)。
一方で、車載情報機器市場は、2006年も急成長を維持し前年比45%増となった。その内訳はほぼカーオーディオとカーナビで占められる。カーオーディオ自体の普及率は高いものの、高価格の製品への移行が進んでいることで市場は成長を続けている。乗用車でCDプレーヤーの採用が広がり、MP3プレーヤーの普及も始まった(表2)。カーナビでは、日本の自動車メーカーが普及に取り組んでおり、最近ではChery(奇瑞汽車)社やGeely(吉利汽車)社といった中国メーカーも拡販を進めている。またPND(personal navigation device)への関心も高まっている。
基本的な電子機器は浸透
これまで数年間の成長により、中国車に装備される電子機器は高い水準に達した。計器などの必須の機器やオーディオ機器のほかにも、パワーや車体など環境保護や安全と密接に関連した基本的な電子機器は完全に浸透したといえる。
今後の中国の自動車用電子機器市場は、中国内の自動車産業の成長に加えて、中国製の乗用車に装備される電子機器の種類が増加していることから、さらに大きく成長することが予想される。2011年の市場規模は2400億元(約3兆6000億円)を達成する見込みである。
(Li Shuchong 中国CCID Consulting社) |